当社は、このたび、地域経済の発展と革新に対する取り組みが評価され、商工会議所の機関誌に掲載されました。この機会は、私たちの事業活動と地域社会への貢献が認められた証であり、大変光栄に思います。
今回の特集では、当社の [創業から現在までの歩み・独創的製品開発・未来への挑戦] が取り上げられ、地域産業の活性化に向けた私たちの挑戦と vision が紹介されています。この経験を糧に、今後もさらなる成長と地域貢献に努めてまいります。
※記事抜粋
<創業から現在までの歩み> 1924年、和歌山県で染色加工用ゴムロールを製造する 会社として設立しました。和歌山は繊維産業が盛んな地 域で、当社はその一翼を担い、国産初の捺染用ゴム太鼓 を皮切りに、ゴムロールのパイオニアとして繊維産業と 共に歩んでまいりました。しかし、繊維産業が縮小する 中で新たな方向を模索し、現会長の東山邦裕は鉄鋼業向 けのゴムロール事業に進出する決断を下しました。この 決断が当社にとって「第二の創業」となりました。 当社のゴムロールは主に製鉄所で使用され、鋼板の製 造過程で薬品処理やメッキ処理において重要な役割を果 たしています。耐熱、耐荷重、耐薬品性能が求められる 過酷な環境において、高性能のゴムロールが不可欠です。 当社の製品「ハイクラッチ960」はゴムベースに粒状ゴム を使用することで摩擦係数を高め、鉄板のスリップ防止 に高い評価をいただき製造工程の安定化に貢献しました。 これが製鉄向けのゴムロールメーカーとして認知される きっかけになりました。 また、近年では耐薬品性と耐摩耗性を備えた「タフエ ース」やセラミックを練り込んだ『ハードクラッチ」、高 摩擦係数。耐摩耗性アップの「ハイクラッチSoft、 200 度以上の環境下でも使用できる『ポリエースオメガ」な ど高機能製品を次々と開発し、多くの製鉄所で使用され ています。
<独創的な製品開発の取組> 当社では製品開発を企業の生命線と考え、この10数 年にわたり毎年1一2の新製品を市場に投入してきまし た。常に新しい製品やサービスを提供し続けることが企 業の存続に不可欠であると信じ、独自の開発力を強化し ています。 製品開発においては、顧客訪問時に得た要望だけでな く、返却されたゴムロールの状態を分析し、どの部分を 改善すべきかをテーマにしてきました。特に、ロール寿 命を従来の2一3倍に延ばすことを目標に掲げ、付加価 値の高い製品を次々に開発しています。これにより、他 社製品との競争を超え、自社製品を基準にした開発に取 り組んできました。さらに、耐摩耗性、高摩擦係数の維 持、耐薬品性、耐熱性といった性能面での大幅な改善を 実現し、他社に追随を許さない製品ラインナップを構築 しています。顧客の要望にもきめ細やかに対応し、製鉄 所などの現場での生産性向上、特に歩留まり率の向上に も貢献してきました。また、正確な性能評価が革新の鍵 であると考え、開発に際しては独自の評価方法を確立し てきました。 失敗を恐れず挑戦を続ける姿勢が、尾高ゴム工業の成 長を支えており、今後も市場の期待に応える革新的な製 品を提供していきます。
<創業100年を超えた未来への挑戦> 当社は、創業100年を超える歴史を持ちながら、ゴムロ ールの製品開発だけでなく、DX (デジタルトランスフオ ーメーション)にも積極的に取り組んでいます。 社内のデジタル化を推進するためシステム開発部を設 立し、迅速かつきめ細やかな対応を可能にする自社開発 を進め、生産性の向上を実現しました。現場には約30台 のタブレットを導入し、全工場棟にWi-fi環境を整備する ことで工程の可視化を推進、作業標準や品質マニュアル などを現場で即座に確認できるようになり、効率が大幅 に向上しました。また、タブレットを使用して現場から リアルタイムで不具合情報を事務所に伝え、さらに必要 に応じて撮影した写真をその場で事務所に送信すること ができるため、現場への確認作業の手間も減少しました。 事務所と現場が双方向で連絡を取り合えることで、社内 の情報共有が飛躍的に進みま した。 今後は、さらに生成Alの導入を進め、社内の効率化だ けでなく、新しいビジネス機会の創出にも取り組みたい と考えています0DX化と生成Alの活用は、企業の今後 の存続に欠かせない要素であり、これを避けて通ること はできません。 尾高ゴム工業は、ゴムの可能性を最大限に引き出し高 付加価値の製品を提供することで、ゴムロール業界のみ ならず産業界全体を支える企業としてさらなる発展を目 指しています。